『ごへい餅』物語
昔木曽福島の町では、旧正月二十三日の二十三夜様の晩に、ごへい餅を作って食べるのがしきたりとなっていました。 ごへい餅は行者さまの持つご幣の形に握ったご飯のお餅をヒノキの串にさして焼き、これに荏(え)に醤油と砂糖を入れ、スリバチでよくすったものをタレにしてつけて食べるのです。
お餅はお母さん、串を作るのがお父さん、荏をするのは子供達などとそれぞれ役割が決まっていて、どこでも家を上げての大騒ぎをしたものでした。  用意ができたところで、イロリを囲んで、焼きたてのごへい餅を頬張りながら一家団らんのうちに遅い二十三夜の月を待ったもので、それが楽しい町の年中行事となっていました。
ごへい餅は、また珍客に対するご馳走としても欠くことのできない家庭料理の一つとなっていました。 こうしたふる里の思い出の味を生かして調製したのが、当店自慢のごへい餅でございます。
村地屋 萬藏
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